日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)
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作者:
謝東森
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トップレビュー
197件の合計評価、レビュー付き:51
日本から
5つ星のうち5.0
悲しいけどこれ戦争なのよね2023年8月10日に日本でレビュー済み
富永恭次陸軍中将フィリピンで陸軍の航空特攻を指揮。マッカーサー軍が迫ってくると、司令部の許可なしに側近と芸者とウィスキー瓶のみを載せて台湾に逃亡。天寿を全うする。
菅原道大陸軍中将
陸軍特攻の中心だった第六航空軍の司令官。10代の少年を特攻隊を次々を送り出し、エンジン不調などで戻ってくると「卑怯者!俺も後で行く!」と殴り倒した。
敗戦で部下が自決をすすめたが「死ぬのだけが責任を取る事ではない」と逃げ回り、96歳で天寿を全うした。
倉澤清忠陸軍少佐
菅原道大の部下で第六航空軍の参謀。特攻隊を次々と送り出し、機体不良で戻ってきた搭乗員を監禁して毎日毎日
「死ねないようないくじなしは特攻隊の面汚しだ。国賊だ!」と罵り殴りまくった。悔しさのあまり自殺したものもいる。
戦後は元特攻隊員の復讐を恐れてピストルを持ち歩き、寝る時は枕元に日本刀を置いて寝た。天寿を全うする。
玉井浅一海軍大佐
フィリピンで特攻隊員を次々と送り出す。
機体不良で戻ってきた特攻隊員たちが本土へ戻る事になると
「待て!お前は特攻隊で死んでもらう事になっている」と輸送機から引きずりおろし、自分が乗り込んで本土へ帰っていった。
戦後は僧侶になり、天寿を全うした。
黒島亀人海軍大佐
残酷な人間魚雷「回天」を立案。「必ず脱出装置を付けます」と嘘をついて認可を得た。
戦後は会社社長として何不自由ない暮らしを送る。宇垣纒の戦争体験手記を遺族から借り出し、自身に都合の悪い部分を破棄した。天寿を全うする。
太田正一海軍大尉
米軍コードネーム"BAKA"こと人間爆弾「桜花」の発案者。
「自分が乗るから開発させてくれ」と上層部に懇願して開発させたが、自身は「適性なし」として搭乗しなかった。
敗戦直後に逃亡し、名前と戸籍を変えて暮らす。天寿を全うした。
牟田口廉也陸軍愚将
インパール作戦が敗色濃厚となり部下の藤原岩市参謀に「陛下へのお詫びに自決したい」と相談した(もとより慰留を期待しての事とされる)。
これに対し藤原参謀は「昔から死ぬ、死ぬといった人に死んだためしがありません。
司令官から私は切腹するからと相談を持ちかけられたら、幕僚としての責任上、 一応形式的にも止めないわけには参りません、司令官としての責任を、真実感じておられるなら、黙って腹を切って下さい。
誰も邪魔したり止めたり致しません。心置きなく腹を切って下さい。今回の作戦(失敗)はそれだけの価値があります」と苦言を呈され、
あてが外れた牟田口は悄然としたが自決することなく、余生をまっとうした。
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現代日本人に通じる分析2022年11月12日に日本でレビュー済み
タイトルの通り米国側の文献から太平洋戦争中の日本軍と日本兵の行動原理や考え方を分析した本。規律正しかったのか、狂信的だったのか、どのような背景で戦術が編み出されたのかなどなかなか興味深い。
同時に、上官がいないと自律的に動けないなど現代日本人にも共通するものもたくさんあり学べる点もたくさんあった
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個人とその生命を安易に見捨てる日本2021年6月20日に日本でレビュー済み
ガダルカナル島の戦闘で、日本軍総兵力3万1400中2万800が戦闘損耗。実に総兵力の2/3が犠牲となった。他方米軍は約1000名。日本軍の1/20だった。しかしこの犠牲者の大きな差程には、戦闘そのものは決して圧倒的敗北ではなかった。米軍の戦訓広報誌が次のように総括している。「いくつかの戦闘の得点差はわずか、敵の若干の地上総攻撃は成功しかけたし、失敗はわずかな違いで成功に転じ得たし、連合軍の絶対的な海上優勢にも関わらず米軍は飛行場を失っていたかもしれない」と。ガダルカナル島の死闘は、僅差で米軍の勝ちになった、というのだ。
では日本軍が、僅差の敗北を喫したのはなぜなのか?
先の広報誌は、「敵軍が健康状態を良好に保てていれば」-つまり日本軍が、兵士の健康に配慮しなかったことが勝敗を分けた、と結論している。
米軍傷病兵はジャングルではなく、後方のよく整備された野戦病院に送られ、休息と適切な治療を受け、状況が許せば速やかに後送された。他方日本の傷病兵は、ヤシの葉ぶきの小屋の敷物か地面に寝かせられる。夜間壕内のトイレに行きたがらなかったため、排泄物がしきものあのすぐ近くに積み重ねられ、雨が降ると壕のすぐ近くまで流れてきた。キニーネその他の薬は激減、病兵は食塩水不足のため代わりにココナツミルクを注射されたことも。
何故日本軍の医療体制は貧弱だったのか?
①軍事優先で軍医の発言力は無かった、②金がない為、短期決戦志向となり兵站補給軽視、ひいては医療軽視となった、③個人を尊重しない、患者は軍事作戦の妨げとしか見ない、治療を施せばやがて再起し戦えるのに何の考慮も払われない等など。
上からの一方的な苦痛への我慢-"滅私"の要求は、結果的に兵士たちの精神力と体力を失わせ、戦力ダウンとなって跳ね返った。
腹が減っては戦が出来ない、とは日本古来かの格言だ。まして負傷したまま、熱に浮かされたまま、苦しんでいるまま放置されるなら、士気は無くなる。
金が無いにも関わらず戦い始め、援軍も補給も送れず、精神力だけを吹き込んでも、前線の兵士の士気向上にはならなかったようだ。
筆者の一ノ瀬氏は、「個人とその生命を安易に見捨てた過去の姿勢を、現代ではの日本社会がどこまで脱却できているかは、常に自省されるべきだろう」と述べている。コロナ禍の五輪開催爆進を見るなら、自省はまだ道半ばと感じる。
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アメリカ軍から見た日本軍2019年8月27日に日本でレビュー済み
米陸軍軍事情報部が1942年〜1946年まで部内向けに毎月出していた戦訓広報誌に掲載された日本軍とその将兵、装備、士気に関する多数の解説記事などをもとに日本軍の姿や能力の分析を試みた本です。・銃剣突撃や格闘戦などの白兵戦は、実は得意ではなかった。
・集団で将校の命令通り射撃するのは得意だが、射撃自体はヘタ。
・計画通りでないと、パニックになり何もできない。
・割と親米で、クラーク・ゲーブルやディアナ・ダービンが好きな映画スターとして名前がよく出ていた。
・病気になっても、ろくな待遇を受けられない。
・捕虜になるのは不名誉で戦死は名誉とされているので、戦死した者のみを大切に扱う。
・宗教や麻薬に頼らない。
・掘った穴か元からある洞窟にこもって、抵抗する。
・米軍が上陸する際に、水際で上陸阻止しようとはせずに内陸の洞窟に立て籠もる戦法で抵抗した。
というように、特に銃剣突撃や玉砕攻撃主体ではなくニューギニアやフィリピンあたりから洞窟にこもって戦うという戦闘を硫黄島や沖縄より前からやっていたのは意外でした。
ちなみに、日本人が好きな映画スターにディアナ・ダービンの名前が出ていますが、後の総理大臣 田中角栄氏が兵卒の時にディアナ・ダービンのプロマイドを隠し持っていたのを上官に見つかり殴られたというエピソードがあったそうです💦
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非常に興味深い日本兵の姿2019年5月17日に日本でレビュー済み
日本兵を客観的に分析する必要がある当時の米軍の資料をもとに、日本兵、日本軍を分析する手法はとても興味深かったです。事実をより客観的に知りたいと思っているわたくしにとっては有意義な読書になったと思いました。
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納得2018年7月15日に日本でレビュー済み
日本陸軍はとち狂った愚かな集団だったと安易に片付けてしまうと、物事の本質が見えなくなるのですね。批判するにも反省するにも、冷静で客観的な評価が要ります。著者は、不完全な資料と承知の上で米軍側資料からそれを試みています。面白い研究でした。近代化された軍隊ほど、原始的な攻撃に弱いというのもまさにその通りかと。現在の米軍はますます人的損耗を回避する傾向にあるようで、機械化、電脳化を進めています。1940年代の米軍も、同じだったのですね。太平洋の島嶼からフィリピン、沖縄に近づくにつれ、日本本土での戦闘によって強いられる莫大な損耗を、米国政府・米軍首脳部が懸念していただろうことが本書から想像できます。
米軍の死傷者を減らすために原爆投下に踏み切ったという話にずっと強い違和感を覚えていたのですが、あれ、ひょっとして(ある程度は)本音だったのかもしれないと感じています…
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参考になる本だが,誤訳らしき部分がかなりある。2017年7月28日に日本でレビュー済み
第二次大戦中に,フィリッピン,ニューギニア,ガダルカナルなどで日本陸軍と対峙したアメリカ陸軍兵士にとって,日本軍の戦闘法と兵士の動きがどのように思えたかについて,本書は,1942-46年に米陸軍軍事情報部が発行した資料を翻訳して述べており,とても参考になる本だ。一方,この米軍資料(Intelligence Bulletine)の内容を紹介する翻訳文に,時々,論理的におかしいと思える箇所が少なからずある。原文を見ていないので検証できないが,論理的におかしな部分は明らかに誤訳であろう。一例を上げると,「日本軍の機関銃座は...........制圧が難しくなったーーーさもなくば最初の銃座が別の銃座より支援されるのだ。」(P.152)の訳文は論理的に不可。この ”さもなくば” は,おそらく原文では or であろう。そうであれば,訳文は ”すなわち” でなければならない。また,米軍兵士の証言の訳文の中に「敵の捕虜」と「日本兵」とが同居しているが,この場合,敵とは日本兵のことであるから,日本兵として統一するべきだ。「観察者」という用語も不適当。これはアメリカ兵に統一するべきだ。
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日本軍も合理的だったという内容だが、誤解の恐れも2015年8月21日に日本でレビュー済み
米陸軍軍事情報部が1942年から1946年までに出版した戦訓広報誌の内容を紹介する形で米側から見た日本軍と日本兵の実像を探る。あくまでもケースレポートの集積で系統だった研究ではなく、米兵士の士気高揚のための脚色もあると思われるが、それでも“皇軍”の実像に迫る資料ではある。著者は、日本軍はとにかく非合理な組織であったという見方に疑問を呈し、狂気のようでも彼らなりの合理性があったはずというスタンスである。これまで日本人論的に言われてきた 集団主義的で個人で考え行動することが苦手とか、計画通りに事が運んでいる間は強いが予期せぬ事態への対処が苦手とか、上層部のメンツを重んじる体質などにも触れられてはいる。
一方で、米軍の反攻が進展する中で戦法の改善も見られ、それは結果的に遅きに失しているのだが、日本軍は決して経験から学べず同じ失敗を繰り返すだけの組織ではなかったことが強調される。
気になる点もある。攻撃での包囲について、中国大陸での成功体験やドイツ兵学の採用により日本軍が固執した戦法で軍内での教育でも強調されたが、米軍に看破された不合理な戦い方に見える。しかし後に改善し...... のようにも読めるが、現地での行動がパターン化して対応されたことが問題で包囲自体が合理・不合理という話ではないと思う。
また、本書で取り上げられている日本軍の“学び”は主に戦闘レベルの話であり、戦略的に日本軍は言われているように愚かではなかった...とは言えないのだが、軍事的な感覚に欠ける読者は誤解しそうなところもある。
いずれにしても、教条的に日本軍を蔑んだり賛美したりすることには意味がないのだ。
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いちばん居心地の悪い事実を直視することができるか?2020年6月15日に日本でレビュー済み
我火の玉となりて敵艦に体当たりを〜のまさにファナティックな日本兵のイメージが私自身にもあったが、完全に覆った。同時に大本営の奇天烈ぶりを強調することで、いまの民主主義国家に生きる私はそんな過ちを犯すばすがない、と思考停止気味な安堵に浸るのは間違いだとも思った。
なぜなら本書でえぐり出されている日本兵は、令和を生きる私と確実にひとつの地平でつながっていると確信できる人たちだから。
そこに切断は見当たりません。
それこそ一番私たちにとって居心地の悪い、どう受け止めていいかわからず持て余してしまう事実なんだと思います。
戦争で亡くなった日本兵の方々には畏敬の念が絶えませんが、本書を読むと彼らを神格化しすぎるのは現実から目を背けていることだと気づくし、国家主義に染まった狂信者のように断ずることもできなくなると思います。
本書を読んだあと、では彼らはなぜ戦ったの?をじっくり考えてみたくなりました。
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こんな日本軍見たことない2020年11月20日に日本でレビュー済み
日本軍好きの方は是非見て貰いたい突撃だけが日本軍ではないと言うことを
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