絶句(一)両箇の黄鸝  <杜 甫>

絶句(一)  <杜 甫>



両箇の黄鸝 翠柳に鳴き 
一行の白鷺 青天に上る 
窓に含む西嶺 千秋の雪 
門に泊す東呉 万里の船



唐代の詩人・杜甫(とほ)の代表作として広く知られる「絶句(四首のうちの第三首)」です。この作品は、安史之乱が平定され、杜甫が四川省の成都の草堂に戻った際の喜びと、春の長閑で広大な風景を描いたものです。 [1, 2, 3]
【読み方】
両箇(りょうこ)の黄鸝(こうり) 翠柳(すいりゅう)に鳴き、
一行(いっこう)の白鷺(はくろ) 青天(せいてん)に上る。
窓(まど)に含む(ふくむ) 西嶺(せいれい) 千秋(せんしゅう)の雪、
門(もん)に泊す(はくす) 東呉(とうご) 万里(ばんり)の船。
【現代語訳】
つがいの(あるいは二羽の)黄鶯(コウライウグイス)が、青々とした柳の木の間で美しく鳴き交わし、
一列の白いサギが青空に向かって舞い上がっていく。
部屋の窓からは、万年雪を頂く西の嶺(岷山)の景色が絵画のように額に収まり、
門の前の川には、はるか東呉(長江下流の地)から万里の旅をしてきた船が停泊している。 [1]
【解説】
  • 対句の美しさ:前半2句(起句・承句)は対(つい)になっており、黄鸝の「声」と「緑」、白鷺の「姿」と「青空」というように、色彩と聴覚・視覚のコントラストが見事に調和しています。 [1]
  • 空間の広がり:前半が目前の「春の動」であるのに対し、後半2句(転句・結句)は窓辺の「遠景(千秋の雪)」と、門前の「静かな旅情(万里の船)」を描き、小さな空間から広大な時空へと視線が展開する名作です。 [1, 2, 3]
この作品の全文解説や鑑賞についてさらに深掘りしたい場合は、関連サイト(関西吟詩文化協会)などを参考にしてみてください。
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