太平洋戦争は最終的にアメリカとの戦闘に敗北して終わったため、中華民国との戦争については、戦後、あまり語られません。日本はアメリカに負けたのであって中国に負けたのではない、と真顔で言う人が多いくらいです。
しかし少し調べてみると「日本を敗北させたのは本当は国民党政府だった」というのが真実であり、このことにもっと注意を払うべきでしょう。
国民党政府の外交官であり、思想家であり、学者でもあった胡適という人物がいます。
彼が1935年に唱えた「日本切腹中国介錯論」という戦略は、国民党政府が日本軍を敗北させるに至った、極めて優れた戦略でした。
この戦略の趣旨は以下の通りです。
1.日本軍と中国軍が戦った場合、軍隊の強さでは日本が勝るため、中国は勝てない。
2.周辺国で日本に勝てそうなのは、ソ連とアメリカであるが、この2国は、ただ待っていても中国を助けてはくれない。日本と戦っても、現時点では何も得にならないからである。
3.だから中国が日本に勝つには、負けてもいいから日本に戦争を仕掛けて、戦力を引きつければよい。
4.中国軍はもちろん敗北し、沿岸の都市は日本に占領される。しかし、占領した地域を維持するために、日本は海軍、陸軍の限られた戦力を大陸に張り付かせる必要が生まれる。負け続けるがゆえに、中国は国際世論から同情され、日本は孤立化する。ソ連は戦力が手薄になった満州に興味を示すだろう。中国で商業活動をしている欧米列強は、戦力を増やし続ける日本を恐れ、太平洋に軍隊を派遣する。そのとき、中国は米英ソ連を味方にして、日本を打ち負かすことができる。
5.このように、日本を「自殺」させ、中国はその「介錯人」を勤める。そのために、中国は数年間の苦しい戦いを覚悟しなくてはいけない。
……しばしば忘れられていますが「戦闘」と「戦争」は別のものです。
国民党政府は戦闘で負ける代わりに、戦争では勝つ戦略を選びました。その手に、まんまと日本は引っかかったのです。
日本の敗戦に関して、しばしばルーズヴェルトの責任を追及する意見が日本にはありますが、ルーズヴェルト政権はドイツと日本で二正面作戦などやりたくありませんでした。事実、国務長官のコーデル・ハルは妥協案として「日米暫定協定案」を纏めて戦争を避けようとしています。ところが、戦争を避けられてしまっては、国民党政府は何も得をしないので、胡適と蒋介石はこの協定案を拒否しました。
そのとき、日米開戦と日本の敗戦は確定しました。
日本は、中国の「戦略」と「政治」の力に完敗したのでした。
俺は左だったわ

沒有留言:
張貼留言
注意:只有此網誌的成員可以留言。