題袁氏別業
題袁氏別業
袁氏の別業に題す
賀知章
主人 相識らず
偶坐するは林泉の為なり
謾に酒を沽うを愁うる莫かれ
囊中 自ずから銭有り
題袁氏別業 賀知章
主人不相識
偶坐為林泉
莫謾愁沽酒
囊中自有錢
えんしのべつぎょうに だいす
賀知章(がちしょう)
しゅじん あいしらず
ぐうざ りんせんのためなり
まんに さけをかうを うれうることなかれ
のうちゅう おのづから ぜにあり
現代語訳
ここの主人と面識は無いが、訪ねて来てこうして
主人と向かい合っているのは、ただこの庭を見たいからである。
そうやたらと、私のために酒を買わないといけないなんて、気を遣ってくれますな。
財布の中に、ちゃんと銭は持っております。
語句
■袁氏 未詳。 ■別業 別荘。 ■偶坐 主人と向かい合って座ること。 ■林泉 袁氏の別荘の林や泉のこと。名園。 ■謾 みだりに。 ■沽酒 酒を買う。 ■囊中 財布の中。
題袁氏別業 賀知章
主人不相識:
この別邸のご主人とは、べつに知りあいの仲ではないのだが、
偶坐爲林泉:
その人と二人、こうしてここにすわっているのも、林や泉のたたずまいもみごとなこの庭園のためなのさ。
莫謾愁沽酒:
まあご主人、客をもてなすのに酒を買わずばなるまいなどと、心配しなさるな。
嚢中自有錢:
さいふの中をさがせば、自然と銭も出て来ようというものさ。
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