垓下の歌

垓下の歌

力拔山兮氣蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可柰何
虞兮虞兮柰若何


ちからやまおお
ときあらずすいかず
すいかざる奈何いかん
なんじ奈何いかんせんと



力 山を抜き 気 世を蓋(おほ)ふ
時 利あらずして 騅(すい) 逝(ゆ)かず
騅、逝かざるを 奈何(いかん)すべき
虞や虞や 若(なんぢ)を奈何(いかん)せん

力山を抜き気は世を蓋ふ
時利あらず騅逝かず
騅の逝かざる奈何すべき
虞や虞や若を奈何せん

私は山々を引き抜くほど強かった、私の力はこの世を圧(お)さえつけていた――
時はもう味方してくれない。騅はもう駆けようとしない。
騅は駆けない。——私は何ができる?
虞よ!虞よ! 君はどうなってしまうのだ?


(吾が)力は山(動かないものの代表)をも動かし、(吾が)気迫は世界(広いものの代表)をも覆うほどに強大だが、
時勢は(吾に)不利であり、(吾が愛馬の)騅は進もうとしない。
騅が進まないのを(吾に)いったい何ができるというのか
(何もできはしないではないか)。
(それにもまして)虞よ、虞よ!
(吾は)そなたに何をしてやれるというのか
(何もしてやれないではないか)。



覇王別姫
垓下(がいか)の歌に対し、虞美人は以下のように返します。

虞美人返歌)
漢兵巳略地  
四方楚歌声  
大王意気尽  
賤妾何聊生  

漢兵 巳に地を略し
四方 楚歌の声
大王 意気尽きて
賤妾 何ぞ生に聊(やす)んぜん

現代語訳)
漢の兵士は、既に楚の地を攻略し、
四方から、楚の歌が聞こえてくる。
大王様(項羽)が、困っておられるというのに、
身分賤しい私が、どうして生き延びておられましょうか。

垓下(がいか)の歌に返歌した後、
項羽の足手まといになってはと、自殺したと伝えられており、
その自殺した土地から、翌年、美しい花(ヒナゲシの花)が咲いたので、
これを、虞美人の生まれ変わりと考え、
ヒナゲシの花を、別名「虞美人草」とも呼ぶ。
という逸話が残ります。

「烏江亭に題す」 杜牧

勝敗は兵家も 事期せず
羞を包み恥を忍ぶは 是れ男兒
江東の子弟 才俊多し
巻土重來 未だ知る可からず

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